糖尿病患者の3割が罹患する「慢性便秘」は命にかかわる病気…死亡リスク20%増との報告も

便秘は寿命に関係することが明らかに…

 宮城県大崎地区在住の40~79歳の男女4.5万人余りを対象に13.3年間の心血管系死亡と排便回数を調べた研究では、排便が「毎日ある」人に比べて、「2~3日に1度」「4日に1回以下」は心血管死亡リスクはそれぞれ、1.21倍、1.39倍多かった。

「便秘は、尿が出なくなり腎不全になって人工透析が必要になる、慢性腎臓病(CKD)の進行とのかかわりがあることもわかっています。米国退役軍人350万人を対象に便秘の有無と以降のCKDの発症について研究したところ、CKDの累積発生率は、便秘のある人はない人に比べて1.13倍だったとの報告もあります。便秘のコントロールがCKDの病状を抑えることに関係しているのです」

 そんな恐ろしい便秘は、これまで筋肉量が少なく食の細い高齢者や、それらに加えて排卵後から生理前にかけて増える黄体ホルモンが腸の働きや水分量の調節にかかわっていることから、女性に多いと考えられてきた。

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