後悔しない歯科治療(4)大人にもメリットが大きい歯の矯正

歯科治療には自由診療を含め、多くのメニューがある

「歯の矯正は子どもが行うもの」──。こう考えがちだが、成人が歯並びを矯正するメリットは大きい。歯磨きがしやすく、磨き残しが少ない歯並びにすることで、虫歯や歯周病を予防できる。その結果、年齢を重ねても自分の歯で食事ができ、健康が保たれる。

 香川県歯科医師会が、2015年に興味深い発表を行っている。それは「歯の健康と医療費に関する実態調査」の結果で、20本以上歯が残っている人が1年間に医科でかかった診療費は、0~4本しか残っていない人より18万4474円も安いのだ。

 歯の矯正で一昔前まで一般的に行われていたのが、歯の表面に「マルチブラケット」と呼ばれる突起状の装置を付け、そこに通したワイヤの圧力で徐々に歯を動かしていく方法だった。

「口を開くと、どうしてもそれらが目立ってしまいます。それにワイヤが唇に当たると、痛みを感じます。また、マルチブラケットの周囲には食べかすがたまりやすいうえに、ブラッシングがしにくいというデメリットがあります。せっかく矯正が終わったのに、マルチブラケットを外すと、虫歯で黒くなった歯が何本もあったケースが少なくないのです」

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