例えば日本における中途失明原因の第1位、緑内障。日本緑内障学会が行った大規模な疫学調査「多治見スタディー」では、40歳以上の20人に1人が緑内障との結果が出たが、全体の89.5%が未発見だった。
「健診では視力検査はあっても、緑内障を調べる眼底、眼圧検査は行われません。一方、一般的な人間ドックでは検査項目に含まれています」(秋松さん=以下同)
緑内障は視野が欠けていく病気で、視力は落ちるわけではないので、視力検査では見つけられない。なお、中年以降で増える目の病気、白内障は手術で視力を取り戻せるが、緑内障は失った視力を取り戻せない。
「生活習慣病やがんは30代くらいから増えてきます。そのあたりから人間ドックを検討するといいでしょう。特に喫煙者、肥満、家系に糖尿病、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病患者あるいはがん患者がいる方は、より積極的に検討した方がいい」