糖尿病の人は「心房細動」に気をつけろ…脳梗塞や心不全を招く

早期発見のために脈拍を毎日確認すること

■予防のために毎日「脈」を測る

 ある70代の男性は胸の苦しさを感じたり、動悸に襲われたため、辛院長が診断し、循環器の専門医に確認してもらったところ、心房細動が見つかった。この男性は糖尿病歴20年だったという。

「私のクリニックの糖尿病患者さんの中にも心房細動を合併している人が少なくありません。先にお話しした通り糖尿病が心房細動の危険因子であることはわかっていますが、その機序はハッキリしていません。冠動脈硬化と高血圧を伴わない心機能障害である糖尿病性心筋症や神経障害や血液を固めるための血小板の亢進、心臓の筋肉の線維化、酸化ストレス、炎症などが関係しているのではないか、との指摘があります」

 心房細動は、早期に適切な治療を行うことで脳梗塞発症のリスクの軽減が期待できるが、それには日常のちょっとした心がけが重要になる。

3 / 4 ページ

関連記事