皮膚に現れた「できもの」の正体(4)【基底細胞がん】黒々としたいびつな形のホクロはがんかもしれない

ホクロは茶色が少し混じっていたり色が薄かったりする(C)iStock

 50歳ごろから現れる“膨れるホクロ”は、じつはがんかもしれない。そう言われると心配になるが、「そこまで神経質にならなくていい」という。皮膚腫瘍外科指導専門医で「あきおか形成外科」(大阪府高槻市)の秋岡二郎院長がこう続ける。

「黒いホクロと見分けるのが難しい『基底細胞がん』は、悪性度が非常に低いのです。死に至るというケースはほぼないので、慌てる必要はありません。そうはいっても、がん細胞が大きくなってしまうと転移する場合もありますから、小さいうちに取っておいた方がいいと考えます」

 膨れるホクロと基底細胞がんの見分けがつきにくいのは、ほぼ同じ場所にできるからだという。どちらも鼻や眉毛の近く、そして目のキワあたりに現れやすい。見た目の特徴としては、基底細胞がんが無機質で黒々としているのに対し、ホクロは茶色が少し混じっていたり、ちょっと色が薄かったりする。また、基底細胞がんはややギザギザでいびつな形をしているが、ホクロは真ん丸に近い。つまり、見るからに“禍々しい”ようであれば基底細胞がんの可能性があり、なんとなく“おとなしそう”に見えるならホクロと考えられる。

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