年間22万人が摂食障害で受診…急増する「過食症」は薬で改善できる

写真はイメージ(C)iStock

「診察では、過食が始まった時期と自己嘔吐の頻度を聞きます。中でも過食症の方に共通しているのが、食べ物、主に炭水化物をコンビニで調達している点です。当院を受診される患者さんを見ると、1回の過食につき平均2000~3000円分購入している傾向があるので、診断の重要な指標のひとつになっています」

 現在、日本では過食症に対する薬はない。心理療法のほか、過食に伴う「うつ」に対する薬の処方が一般的だ。ただ、大学病院における症状の改善率は5%以下と極めて低く、治療が難渋しやすい。ストレスケア日比谷クリニックでは、過食症の治療法を世界基準にするため、海外で認可されている薬の処方を行っている。

「厚労省の許可のもと、米国などで過食症に対して用いられる『フルオキセチン(商品名プロザック)』を輸入し、処方しています。過食の衝動を抑えるほか、気分の落ち込みを改善させる効果があります。当院で過去15年間で処方した2000例の症例では、症状の改善率が約85%であると分かりました。また、発症からの期間が6カ月であっても20年であっても、効果に差がないのがこの薬の特徴です」

 服用から約10日で効果が見られ始め、症状が改善され始めたら過食の予兆が見られた時だけ服用するなど、様子を見ながら徐々に飲む回数を調節する。現在、ストレスケア日比谷クリニックでの処方は自費診療で、価格は1カ月約2万円。既存の治療で効果がない場合は相談してみてはどうか。

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