第一人者が教える 認知症のすべて

80代の親が脊柱管狭窄症で歩けない…手術するかどうか悩んでいる

写真はイメージ

 歩けるかどうかは、認知機能をどれだけ維持できるかにつながります。70~80歳の女性の認知機能テストの成績と日頃の運動習慣の関係を調べた研究では、日頃よく歩く人はテストの成績が良く、1週間あたりの歩行時間を「2.8時間以上」「1.5時間~2.8時間未満」「40分~1.4時間」「40分未満」で比較をすると、歩行時間が長いほど認知機能テストの得点が高かったのです。このうち「40分~1.4時間」であっても、「40分未満」とは明らかな差がありました。

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新井平伊

新井平伊

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

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