日本版「足病医」が足のトラブル解決

足裏に「イボ」ができて痛い…どんな治療法がありますか?

足ふきマットの共用などで、傷口からウイルスが侵入し発症も

 先述の女性は、深くまで削ると出血したため組織の一部を採って病理検査を行ったところ、「尋常性疣贅」と診断されました。

 放置すると、患部が大きくなるだけでなく、他の人にうつったり、患部に触れた手で自分の体を触ると、新たな部位にイボができる可能性があるので、しっかりと治療して取り除く必要があります。

 イボの治療は、液体窒素に浸した綿棒を患部に当てて凍結し、取り除く冷凍凝固法が中心です。その他に炭酸ガスレーザーでの切除や外科的な手術を行う場合があります。ただ、完全に取り切れなければウイルスは増殖し、再発するリスクが高いです。補助的な治療としてサリチル酸や尿素軟膏といった外用薬や、ヨクイニンなどの漢方薬を処方しています。

 私が専門とする形成外科で行っているのが、炭酸ガスレーザーを用いてイボを完全に焼き切る方法です。ただし、レーザーを当てた部分は傷が深く、そのままの状態で歩くとそこから細菌が入り込んで感染を起こすケースも少なくない。松葉杖を使用して患部を免荷することや、術後は足底に体重がかからないよう、何重にも重ねたフェルトを傷のサイズに合わせて丸く切り抜き、足底に貼った状態で2~3週間ほど過ごす必要があります。

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田中里佳

田中里佳

2002年東海大学医学部卒業、04年同大学形成外科入局、06年米国ニューヨーク大学形成外科学教室留学、12年順天堂大学医学部形成外科学講座准教授、医局長を経て現職を務める。

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