「ギャンブル依存症」体験記(2)見知らぬ人と麻雀を打つようになったのが入り口だった

野原広子さん(C)日刊ゲンダイ
野原広子さん(フリーライター/67歳)

 私が依存症に陥ったのは「麻雀」です。麻雀は機械次第のパチンコや、馬頼みの競馬とは異なり、自分のその瞬間、瞬間の判断が結果につながるという点が、私の性に合っていました。

 私は地元の茨城の高校を卒業後、上京し、さまざまな職業を経てライターになり、20代後半で編集プロダクションを設立しました。新宿・歌舞伎町に事務所を構え、4人の女性ライターと契約。そんな私に、大手商社マンや中小企業の社長たちが一目置いてくれて、交友関係が広がっていきました。刺激的で面白かった。

 お付き合いもいろいろしますよね。飲食、ゴルフ、麻雀……。

 麻雀は知らなかったのに、たまたま“イチから麻雀を教えるのが大好きな編集者”がいて、教わって覚えました。

 友人、知人たちと麻雀を楽しんでいるうちはよかったんです。でも33歳の頃、「フリー雀荘というのがあるよ」と聞き、1人で雀荘に行って見知らぬ人たちと打つようになったのが依存症への入り口でした。よく通っていたのは池袋や中野。どちらも大学が近くにあったから料金が安いんです。しかも、周りは若い男の子たちが多い。ピチピチの男たちに囲まれて麻雀をしていると、ストレス発散になるんです(笑)。

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