老親・家族 在宅での看取り方

かかってくる電話はさまざま…何度でもどんな内容でも納得いくまで対応

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 患者さんやご家族への電話対応は、私たちが日頃から気を配って行っていることの一つです。

 その内容は、往診日の打ち合わせといった事務的なものだけではありません。病状や薬についての質問の電話もあれば、ご家族が患者さんの体調の変化で不安になりどう対応すればいいかの問い合わせの電話もあります。

 1人暮らしの患者さんでは、特に用事はないけれど、だれかと話して心を落ち着けたいというものも。毎日、多種多様な用件の電話がかかってきます。

 何度か電話を頂いている患者さんの中に、自閉症スペクトラム障害と、てんかんを患われている50代の男性がいます。この患者さんの場合、「人とのコミュニケーションが苦手」「物事に強いこだわりを持つ」といったパーソナリティーを持ちます。

 また、てんかんは脳内で異常な電気的な興奮が発生する脳機能障害で、発作的にてんかん症状を繰り返します。よくある症状としては、口がもごもごと動いたり、突然意味をなさない言葉を話したり、時に意識を失うこともあり、また全身をこわばらせたり、手足や顔面の筋肉がピクピク動いたり、脱力したりすることもあります。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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