世界に先駆けて日本で発売された ミトコンドリアに作用する糖尿病新薬の評判

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 検査値を下げられても、その先の病気の発症を抑えられるかはわからない。かつてはそんな薬がたくさんあった。しかし、いまは最終目標を達成しない薬は評価されない。糖尿病は動脈硬化の進行を促し、将来的に心筋梗塞などの心臓病のリスクを高めることがわかっている。そのため、最近発売される糖尿病新薬は単に血糖値を抑えるだけでなく、心臓病の予防効果に関するエビデンスの有無が重要になりつつある。そこで気になるのが、世界に先駆けて日本で製造販売が承認された、2型糖尿病の飲み薬「イメグリミン」(商品名:ツイミーグ)だ。今年6月で承認から丸3年を迎えるが、臨床現場での評価はどうなのか? 糖尿病専門医である「しんクリニック」(東京・蒲田)の辛浩基院長に聞いた。

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「この薬は、海外の製薬会社が作った新たな化合物の薬を、日本の製薬会社が国内開発・販売権を獲得することで世に出した2型糖尿病治療薬です。細胞内でエネルギーを作るミトコンドリアを刺激することで、インスリンを分泌する膵β細胞を働かせる一方で、骨格筋の血糖の取り込みを改善したり肝臓での糖新生の抑制をするなどして、血糖値を低下させます。臨床試験では、単独でも他の血糖降下剤との併用でも効果が確認されています」

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