最新研究「痩せ」は危ない(4)「痩せればいい」という考え方そのものが危険

ビジュアル重視のSNSの影響を強く受けている(C)日刊ゲンダイ

 体重減少効果がある糖尿病治療薬GLP-1受容体作動薬を、糖尿病でない人へダイエット目的で投与する「GLP-1ダイエット」。適用外の使用は社会問題化しており、副作用などへの懸念点も多いが、それ以前に、「痩せればいい」という考え方そのものが危険をはらんでいる。

 糖尿病専門医で順天堂大学大学院スポーツ医学・スポートロジーの田村好史教授が言う。

「痩せていても運動不足で筋肉量が少なければ、糖尿病リスクが上がる可能性があることが私たちの研究で明らかとなりました。糖尿病だけではない。運動不足はがん、心臓疾患、認知症などさまざまな病気のリスクを上げるのです。運動に関して強調したいのは、運動により“血糖値が下がる”や“痩せる”ということと無関係に、運動をしていることが直接健康と結びついていることです」

 たとえ糖尿病でGLP-1受容体作動薬を適正に用いたとしても運動は必須。運動をしなければ、薬で血糖値や中性脂肪が低下しても、運動不足が新たな病気をつくり出す可能性がある。

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