「ギャンブル依存症」体験記(3)消費者金融に手を出し13社から借りていた

野原広子さん(C)日刊ゲンダイ
野原広子さん(フリーライター/67歳)

 でも、実生活に戻ってみると、麻雀で失ったお金がボディーブローのように効いてきました。

 借金をしてまで麻雀をやるようになったのは、30代後半。麻雀を始めて5年が過ぎていました。気がつくと1000点200円のレートの店に出入りするようになり、負けが込んで、手持ちのお金が足りなくなって、「取り返そう!」と銀行のATMに駆け込んでお金をおろしてまたやって、それでも足りなくなって……一晩で17万円負けたこともありました。

 明日から出張だというのに、モデル2人とカメラマンの出張費をつぎ込んでしまったり、ローンを組んで買った50万円の牛首紬の高級反物を3万円で売って雀荘に行ったときは、自分でも「狂ってる」と思いました。でも、逆に「ここで負けたらヤバいぞ」と思いながらやるとスリルが増す。それがギャンブルの醍醐味でもあるんですよ。

 消費者金融にも手を出し最終的には13社から借りていました。A社の返済日が来ると、B社から借りてA社に返し……なんて自転車操業も当たり前。仕事でまとまったお金が入ると返済したついでにまた数万円借りて雀荘に行っていました。

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