日本の食卓にも溢れる 米FDAが禁止に動く「トランス脂肪酸」

 研究生活50年の脂質生化学者で名古屋市立大名誉教授の奥山治美氏はこう警告する。

「トランス脂肪酸を含んだマーガリンやショートニングは、バターより長持ちする上、5分の1以下のコストで作れるため、産業界は重宝している。もっとも、心臓病のほか、ホルモンバランスを狂わせて、子どもが生まれにくくなるという弊害も指摘されている。ただ、原材料名の表示はあいまいで、“トランス脂肪酸”とは明記されない。味で見分けることも不可能です。表示については、過去には学会で問題になったし、09年当時の福島瑞穂内閣府担当大臣は表示義務化に向けた検討を消費者庁に指示したにもかかわらず、国は産業界に配慮したのでしょう」

 奥山氏によれば、ケーキ、お菓子、パン、ピザ、揚げ物のせんべいやドーナツ、コーヒーのクリーム、ソフトクリームなどは要注意。まず含まれていると考えた方がいい。

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