5年以内死亡率は30% がんより怖い「下肢閉塞性動脈硬化症」

 自分で活動範囲を制限してしまうため、自覚症状はそう強く出ないことがまれではない。下肢閉塞性動脈硬化症と診断された患者は口をそろえて「そういえば……」と言う。早期発見につながるサインを決して見逃してはいけない。

 下肢閉塞性動脈硬化症は(1)50歳以上(2)喫煙者(3)高血圧(4)糖尿病(5)脂質異常症(6)肥満――のうち該当する項目が多いほどリスクが高い。

「冷えくらいでは患者さんはなかなか検査を受けに病院に来ない。そのため知らないうちに症状が進行してしまっている人が多いのです」

 下肢閉塞性動脈硬化症の病期は4つに分けられる。Ⅰ度は「冷えやしびれを感じる」、II度は「ある一定の距離を歩くと痛くて歩けなくなる。休むとまた歩ける」、III度は「安静時も痛みが生じる。特に夜間に多い」、Ⅳ度は「皮膚がじくじくする。足が変色している」。せめて、II度までには受診すべきだ。

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