適切な睡眠時間は? 厚労省の新「睡眠指針」信じていいのか

「睡眠は眠り始めから最初の3時間の深さが重要です。睡眠が不足していると、多くの人は単純に『量』を稼ごうとして、生体リズムを崩してでも睡眠時間を確保しようとします。休日に寝だめしたり、3時間以上も昼寝をする人もいる。しかし、これは『睡眠―覚醒』のリズムを崩してしまうので逆効果です」

 睡眠が足りていないなら、起床時間は変えずに普段より少しだけ就寝時間を早める。1日5分早めるだけでも、1カ月で計2時間30分も多く眠れる計算になる。これを繰り返していけば、リズムを崩さずに慢性的な睡眠不足を解消することができる。

 逆に、6時間しか寝ていなくても起床から4時間後に眠くならない人は、いまの自分に必要な睡眠時間を満たしている。“適切な量”に合わせようとして無理に睡眠を増やさなくてもいい。

「ただし、マイクロスリープが出ていないかどうかのチェックが必要です。睡眠は脳をメンテナンスするために必要な時間で、シャットダウンする必要があると眠気が出ます。眠気があるのに寝ない状態を続けていると、そのうち眠気そのものを感じなくなってきて、起きている時も脳の使っていない部分をシャットダウンするようになります。これがマイクロスリープで、生産性を下げたり、事故につながる危険もあります」

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