コツはいるが手術より確実 「多汗症」に効くボトックス治療

写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ

 多汗症と診断されたら、まずは塩化アルミニウムの塗り薬や内服薬を試すことが多い。十分な効果が得られなければ、A型ボツリヌス毒素製剤を脇の下10~15カ所に注射するボトックス治療だ。2012年から健康保険適用になった。

「A型ボツリヌス毒素製剤は汗腺であるエクリン腺に作用し、過剰な汗の放出を止めます。注射後4~5日目くらいから汗が出なくなり、効果は4カ月ほど続きます。残念ながら根本的な治療ではありませんが、言い換えれば、ボトックス治療で汗腺が“退化”することもない。夏の汗が多くなる時期だけボトックス治療を取り入れるなど、上手に多汗症と付き合っている方もいます」

■皮膚から2ミリのところに45度の角度で

 安部部長の経験上、ボトックス治療の効果はほぼ100%。しかし、「ボトックス治療を受けたが、あまり効果が見られなかった」という患者も時々来院するという。

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