NY中華街で30人以上感染 蚊よりも恐ろしい「秋の生魚」

旨さに潜むリスク/(C)日刊ゲンダイ

 蚊がウイルスを媒介するデング熱の感染者が増え続け、騒動はまだまだ収まりそうにない。が、サンマやサバがうまくなる秋は、蚊よりも「魚」に注意したい。

 感染すると、筋肉が壊死したり敗血症を起こして死に至る――。「人食いバクテリア」として恐れられているのが「ビブリオ・バルニフィカス」という細菌だ。菌に汚染されている魚介類を生食することで、「ビブリオ・バルニフィカス感染症」になる。

 健康な人は下痢や腹痛を起こす程度で重症化するケースはまれだが、免疫力が低下している人、肝臓疾患や糖尿病のある人、鉄剤を服用中の人が感染すると、劇症化して高確率で死に至るから恐ろしい。

 感染症に詳しい東京医科歯科大名誉教授で、人間総合科学大教授の藤田紘一郎氏が言う。
「細菌が血液中に侵入すると、24時間程度で敗血症を起こし、発熱、悪寒、血圧低下、全身のけん怠感、意識障害などが出てきます。手足の皮膚には水ぶくれのような蜂窩織炎が現れ、放置して全身性感染を起こした場合は72時間以内にほとんど死亡します」

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