右肘靭帯の部分断裂で戦列を離脱することになったヤンキースの田中将大投手が受けたのが、PRP治療だ。トップアスリートが支持する治療法として米国では知られているが、日本での認知度はまだまだ。一体どういうものなのか? アスリートの治療も行う「TC関節機能センター」の寺尾友宏院長に聞いた。
PRP治療は自己治癒力を高めて、通常のスピードより早く外傷を治す治療法だ。
「外傷を負った時、血小板はその外傷部分に集まって止血をします。さらに、成長因子を放出して傷ついた組織を修復し、新しい毛細血管を作るシグナルを出します。こういった血小板の働きを大いに活用したのがPRP治療です」
まず、腕の静脈から30㏄の血液を採取し、血液の入った採血管を遠心分離機にかける。すると、赤血球などの大きな細胞は下に沈み、血小板をたくさん含んだ体液が上澄みとなる。赤血球部分を破棄して、上澄み部分を取り出し、濃縮する。