「グルタチオン点滴療法」はパーキンソン病患者の希望の星か

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「まず患者さん自身が“何かが違う”と感じ、目に見えて効果が表れる。力石さんの場合、20年以上さまざまな治療を受けても改善は見られなかったのに、点滴療法を始めて2カ月で震えが改善し、箸を持ち自分で食事ができるようになりました。そして、自立した生活を送れるまでに改善したのです」

 グルタチオンは、パーキンソン病発症の原因になるドーパミン減少と深い関係にある。

 ドーパミンがつくられる脳の黒質を調べると、パーキンソン病の患者は、グルタチオンの量が非常に少ない。グルタチオンが少ないと、ドーパミンがつくられるのと同時に発生する活性酸素がたまり、黒質の細胞が障害され、ドーパミンをつくることができなくなる。

「結果、ドーパミン不足でパーキンソン病を発症するのです。点滴療法は、少ないグルタチオンを補給して活性酸素を消去し、黒質から再びドーパミンをつくり出すようにしようというもの。グルタチオンはもともと脳にある物質なので、副作用のリスクが0.1%未満と低いのも大きな利点です」

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