“健康効果”ハードル低く 新「機能性表示食品」要注意ポイント

それさえ食べればO.K.と思い込むと…(C)日刊ゲンダイ

 横浜創英大名誉教授の則岡孝子氏(栄養学)もこう懸念する。

「機能が表示されることで、消費者が『それさえ食べておけば体にいい』と思い込んでしまう危険があります。たとえば鉄の場合、厚労省の食事摂取基準では、性別や年齢によって推奨量は大きく数値が異なります。しかし、新制度の表示基準なら、6・8ミリグラムを満たしていれば機能を謳うことができる。月経がある15歳以上の女性の場合、推奨量は10・5ミリグラムですから、懸け離れています。こうした成分はいくつもあるので、注意が必要です」

 逆に栄養素の過剰摂取を助長する危険もある。

 たとえば、カリウムはナトリウムの排出を促す働きがある。新制度では「正常な血圧を保つのに必要な栄養素です」と表示できるため、高血圧の人はカリウムをたくさん摂取すればいいと考えてもおかしくない。

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