新事実が続々判明 「パーキンソン病」は予防可能な時代に

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「運動症状の前にも、便秘、心臓の交感神経の異常(MIBG)、夜中に大声を出したり夢で見たことを実行に移すレム睡眠行動異常症、嗅覚低下、うつ状態などが、患者の多くに見られることがわかってきたのです」

■便秘や嗅覚低下なども症状も

 パーキンソン病の治療は、不足するドーパミンの補充や分泌促進のための薬の服用が行われる。しかし、運動症状以外の症状には効果が見られず、便秘などはかえって悪化した。

 つまり、「脳の黒質のドーパミンの分泌が減ることで、パーキンソン病のすべての症状が説明できる」という考えが当てはまらなくなってきたのだ。

「研究で、α―シヌクレインというタンパクとの関係が徐々に明らかになりました。ドーパミン神経細胞の減少は、α―シヌクレインの異常な蓄積が原因である可能性が考えられています。さらに、腸管の神経に蓄積して便秘を、嗅覚の神経に蓄積して嗅覚低下を、それぞれ起こすのではないかと指摘されている。現在では、αーシヌクレインが体のいろいろな神経に蓄積されることが、パーキンソン病の原因の可能性が高いと考えられています」

2 / 4 ページ

関連記事