脊柱管狭窄症は「どのくらい歩きたいか」で治療法が変わる

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 50歳以上に増える脊柱管狭窄症は、脊柱管が狭くなり、馬尾神経や神経根が圧迫されて腰痛や足のしびれなどさまざまな症状が出てくる病気だ。加齢が主な要因なので、長生きするということは、この病気とうまく付き合っていくということでもある。ところが、それができていない人が圧倒的に多いという。横浜市立みなと赤十字病院整形外科・小森博達部長(副院長)に聞いた。

 脊柱管狭窄症はここ数年、新たな技法の手術が登場した。“新治療こそ良い治療”とばかりにすぐに飛びつこうとする人もいるが、その前にきちんと段階を踏まないと、後々、後悔する可能性がある。

「脊柱管狭窄症は、たとえばがんのように、〈このステージだとこの治療〉、という考え方ができません。絶対的な手術適応がないため、患者さんそれぞれの生活スタイルが治療を決める上で重要になります」

 脊柱管狭窄症は、MRIで脊柱管に狭窄が見られ、間欠性跛行という症状があれば診断される。間欠性跛行とは、「しばらく歩くと足の重さ、しびれ、痛みが出てきて歩けなくなる。休めばまた歩ける」という症状のこと。“しばらく歩くと”が、治療を決める上での重要ポイントだ。

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