ニューヨークからお届けします。

殺虫剤効かず…進化した「アタマジラミ」が米国の子供を襲う

 このスーパー・ライスの最大の特色は、これまで最も効果的とされてきたピレスロイド系殺虫剤が効かないこと。ピレスロイド系殺虫剤は手軽に購入できる上、比較的安全性が高いとされていて、1990年代に紹介されて以来、子供たちのいる家庭に常備されてきました。

 同じ研究者は、「殺虫剤を何度も使ううち、遺伝子レベルで耐性ができる現象はこれまでも見られた」とし、ピレスロイド系殺虫剤に耐性のあるアタマジラミが10年前に発見されてから増加の一途をたどっていると語っています。

 しかし、このスーパー・ライスは殺虫剤への耐性が強いとはいえ、症状が重いわけではありません。「殺虫剤への耐性の研究もまだ限定的なものである」と指摘する研究者もいて、親たちに対しパニックにならないよう呼びかけています。

▽シェリーめぐみ ジャーナリスト、テレビ・ラジオディレクター。横浜育ち。早稲田大学政経学部卒業後、1991年からニューヨーク在住。

2 / 2 ページ

シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

関連記事