薬に頼らないこころの健康法Q&A

入学試験に夜型はない

井原裕 独協医科大学越谷病院こころの診療科教授(C)日刊ゲンダイ

 朝、起きられない生徒は、入学試験に間に合いません。遅刻した生徒は、試験会場には入れません。深夜0時にならないと調子が出ない脳では、試験に受かりません。午前9時に調子が出る脳みその持ち主だけが、医学部に合格するのです。

 夏の間なら、暑い昼間を避けて、夜、涼しくなってから勉強したい気持ちもわかります。でも、もう秋です。涼しくなりました。昼間から勉強しても大丈夫。それに入学試験は日に日に迫ってきています。体調のほうも試験の時間帯に合わせてつくっていきましょう。

 睡眠時間を削って勉強してはいけない。7時間は眠ってください。目覚めている17時間の密度を濃くすることを考えましょう。その気になれば、17時間をすべて勉強に費やすことだってできます。食事中は英語を聴きながら食べれば、リスニングの練習になる。入浴中だって、さっき覚えた社会科の知識を復習する場にすればいいでしょう。

2 / 3 ページ

井原裕

井原裕

東北大学医学部卒。自治医科大学大学院博士課程修了。ケンブリッジ大学大学院博士号取得。順天堂大学医学部准教授を経て、08年より現職。専門は精神療法学、精神病理学、司法精神医学など。「生活習慣病としてのうつ病」「思春期の精神科面接ライブ こころの診療室から」「うつの8割に薬は無意味」など著書多数。