人口10万人当たりのがんによる死亡率は230・3人(2013年)。これも毎年じわじわと上昇していますが、やはり全死亡率そのものが上昇しているため、全体に占める割合は、横ばいから減少傾向にあります。
肝心の年齢調整死亡率はどうでしょう。1985年を基準にして、人口構成が当時と同じ割合になるように補正をかけた死亡率です。
国立がん研究センターが公開している資料によれば、「全がんの年齢調整死亡率は、男女とも1990年代後半から減少傾向にある」そうです。しかも75歳未満に限ってみれば、「男女とも1960年代から減少傾向にある」ということです。つまり老いも若きも、がんで死ぬ確率は減り続けているのです。
部位別にみても、ほとんどのがんで年齢調整死亡率が低下しています。上昇しているのは膵臓がん(男女とも)と、子宮がんのみです。とくに胃がんの数字は、1960年代と比較すると、4分の1から5分の1と著しく下がりました。もちろんいまでも胃がんで亡くなる人は大勢いますが、かつて国民病と呼ばれて恐れられていた頃の勢いは、すっかり影を潜めてしまったようです。
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