がんの研究や検診には、毎年莫大な税金がつぎ込まれているのですから、これくらいの成果は出て当たり前と言えるかもしれません。とはいえ、日本以外の先進諸国でも、同じようにがんの年齢調整死亡率は低下する傾向にありますから、日本の研究者や医師たちが特に頑張った結果、とは言えません。
それに、いまや医学研究においては、がんは時代遅れ。世界の研究者の関心は認知症や精神疾患、そして老化そのものに移りつつあるのです。そろそろ我々も頭を切り替えるべきかもしれません。
(医療ジャーナリスト・やなぎひさし)
医療用語基礎知識