医療用語基礎知識

【クレアチニン値】腎機能低下がわかる

 ところが腎臓ときたら、せいぜい尿検査。タンパク質や微量の血液が混じっているかどうかなど数項目を調べるのですが、正確な量までは測定しません。定性検査といって、陰性・疑陽性・陽性の3段階(項目によっては陽性がさらに2段階に分かれており4段階)に分類するところまでです。

 腎臓や膀胱、尿路に病気がある可能性は指摘できますが、その種類や重症度などは、精密検査をしないとよく分かりません。

 尿には他の病気や臓器が原因の物質も混じっています。代表的なものが尿糖、つまり糖分で、これが出てくるようなら、かなり進んだ糖尿病の可能性があります。またビリルビンという物質が陽性の場合は、肝臓に何か問題がありそうです。ビリルビンに限れば、尿は“肝腎”な検査ともいえるわけです。

 腎臓関係ではもうひとつ、「血中クレアチニン」という項目が健診に含まれています。これは筋肉の活動で生じる老廃物の一種です。血液中に溶けて腎臓に運ばれ、尿に混じって排泄されます。

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やなぎひさし

やなぎひさし

国立大学理工学部卒。医療機器メーカーの勤務を経てフリーへ。医療コンサルタントとして、主に医療IT企業のマーケティング支援を行っている。中国の医療事情に詳しい。