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【食道がんの鏡視下手術】 昭和大学病院消化器・一般外科(東京・品川区)

昭和大学病院消化器・一般外科の村上雅彦教授(提供写真)

 食道がん手術は、胃を食道の代わりにして再建するため、開胸・開腹手術では胸部と腹部、頚部をそれぞれ約15~20センチ切開。さらに各部位のリンパ節も切除する。がんの手術の中でも、大がかりで体の負担が大きい手術だ。特に胸部は、胸を大きく広げ、肋骨を切断する場合もあり、術後の痛みが強く、肺炎などの合併症や呼吸不全を起こしやすい。合併症が術後1カ月以内の死亡につながる手術死亡率も全国平均約3%(術式問わず)と高い。

「手術数が多く、慣れている施設でも手術死亡率は1~2%ですが、当科は直近10年で見てもゼロです。肺炎合併率は3%以下(全国平均20%前後)、縫合不全は1・3%(同15%前後)。5年生存率は開胸・開腹手術と変わりません」

 また、開胸・開腹手術は75歳を越えると体の負担を考え適用にならないことが多いが、胸腔鏡・腹腔鏡併用は80代でも可能。同科の最高齢患者は93歳だという。

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