健康は住まいがつくる

【換気と病気】 頭痛やアレルギー、子どもの成績不振は室内空気が原因だ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 しかも、CO2濃度が高い部屋は、臭気など他の空気汚染物質の濃度も高いことが多い。それがアレルギーを発生させる場合もある。国立保健医療科学院の林基哉統括研究官(工学博士)が言う。

「CO2濃度も無視はできませんが、近年、日本では換気の主な目的はシックハウス症候群の予防と考えられています。1990年代に建材から発散されるホルムアルデヒド等の化学物質で居住者に健康影響が出ることが確認され、2003年7月施行の建築基準法の改定で対策が取られました」

 この通称“シックハウス法”で義務づけられたのは、ホルムアルデヒドを発散する建材の使用制限と24時間換気システムの設置など。つまり、シックハウス法以降に建てられた建築物には、窓を閉め切った状態でも最低限の換気ができる換気装置がついているのだ。

 ここで言う、「最低限の換気」とは、1時間で、部屋の容積の半分の量の空気が入れ替わること。別名「0.5回換気」と呼ばれている。

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