独白 愉快な“病人”たち

日本ブラインドサッカー協会理事長 釜本美佐子さん (73) 網膜色素変性症 ㊦

(C)日刊ゲンダイ

 私は、東京都障害者スポーツ大会の全盲40歳以上女子の部で、50メートル走とソフトボール投げで2年連続優勝しているんです。私の記録は10秒台で、2位は20秒台。ソフトボール投げも、私の記録が18メートルで、2位は11メートル。記録が突出しているのは私がスゴイんじゃなく、先天盲の方は親が危ないことをやらせないように育てていたり、スポーツに触れる機会が少なかったりしただけなんです。

 そこで日本ブラインドサッカー協会では、子供の頃にサッカーを通してスポーツの楽しさを体験してもらおうと働きかけています。去年からはキッズキャンプを始めました。

 今、iPS細胞のおかげで網膜色素変性症にも治療の可能性が出てきました。まずはiPS細胞による加齢性黄斑変性の手術が行われるそうなので、結果を大いに期待しています。

 私は125歳まで生きるつもりなんです。日本の最高齢の女性が116歳でしょ。医療レベルもさらに向上して、あと10年は寿命が延びるといいますからね。その頃には、この障害を取り巻く環境も変わるかもしれません。まだまだやりたいことがいっぱい! 当面の目標は、今年50メートルを9秒台で走ることかな。

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