独白 愉快な“病人”たち

日本ブラインドサッカー協会理事長 釜本美佐子さん (73) 網膜色素変性症 ㊦

(C)日刊ゲンダイ

 視覚障害になると外出が不自由になる。特に後天的に視覚を失った人は、エスカレーターが怖くなったり、閉じこもりがちに。そういう環境を変える活動も始めました。

 日本網膜色素変性症協会の会長に就いた時、JRの駅のホームや階段に視覚障害者誘導用シールを張ってもらうようお願いしたり、視覚障害者が旅行できるよう目的地のボランティアを紹介する全国視覚障害者外出支援連絡会(JBOS)を立ち上げたり。

 そして、2002年にブラインドサッカー協会(JBFA)の前身を立ち上げたのです。釜本家では、私は運動より勉強派だったので語学を、弟はサッカーと、それぞれお互いの個性を生かしてきました。それが01年に初めて弟に誘われ、ブラインドサッカーをやってみたら楽しかった。選手もボランティアも若いし、私自身も元気をもらえます。12年経ち、今年の11月には渋谷で世界選手権大会が開催されるまでになりました。

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