“痛み”にも種類がある 知っておきたい「慢性痛」の新概念

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■新概念を知らない医師も

 侵害受容性か神経障害性かは、ある程度は見分けがつく。

「痛みの性質が違います。侵害受容性は、ズキズキ、重苦しいなどの痛み。神経障害性は、ヒリヒリ、ピリピリ、ビリビリ、電気が走るような痛みです」

 神経障害性の痛みに分類される疾患には、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経症、外傷後神経痛、術後慢性疼痛、脊柱管狭窄症に伴う脊髄症、放射線治療後の神経障害などがある。

「痛みに種類があることは最近分かってきました。そのため、神経障害性の痛みに関する病気や選択する薬物の違いに精通している診療科、医師はまだまだ限られています。もし、現在、受けている痛みの治療で効果が見られない場合は、『神経障害性の痛みではないか?』と患者側から医師に伝えるのもひとつの手でしょう」

 痛みが続くことを、安易に精神的な問題と片付けてしまう――。このようなことがないように、医師も患者も痛みの種類を意識して、適切な薬物を選択する。それが痛みの軽減と日常生活の改善につながる。

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