エイズを知る

<3>感染者の1%は「エリート・コントローラー」 無治療で大丈夫

 HIV感染者は、少しずつウイルスが増加するにつれ、免疫細胞が破壊され、免疫力が低下。免疫が壊滅状態になって、エイズを発病すると、カポジ肉腫や真菌症の一つクリプトコッカス症など、健康な人なら発病しないような病気に侵されて死に至る。それなのになぜ、エリート・コントローラーは無治療で発病を食い止めることができるのか。

「数々の研究から、欧米のエリート・コントローラーには、HIVの感染力を弱める『HLA-B57』という遺伝子が関わっていることが分かっています。世界レベルでは、欧米のエリート・コントローラーを研究し、ワクチンや治療法を開発しようとしている状況です」

 しかし、日本人エリート・コントローラーには、この遺伝子がない。別の特殊な遺伝子が、免疫力のキープに役立っているはずだが、それが何かは分かっていないのが現状だという。

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