健康は住まいがつくる

【アレルゲン】せき・喘息は室内のカビが原因

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 実際に、イタリアの大規模疫学調査では、アレルギー患者の約20%が少なくとも1種のカビに対してアレルギー反応を示すことが明らかになっている。北欧では、カビ汚染の原因となる局所的に湿度が高い状態が、せき・喘息のリスクを2倍高めると報告されている。

 日本の子供を対象にした疫学調査でも、喘息、アレルギーなど少なくともひとつの疾患をもつ患者群に、結露・カビの発生が関与していることが認められているという。

「この研究の環境調査では、患者群の家は室内湿度、空気中に浮遊するカビ濃度、ハウスダスト中に堆積するカビの量が、アレルギーのない群に比べて顕著に高いことが示されています。また、ハウスダスト中のカビの量は、室内湿度に比例して多くなることが明らかになっています」

 そもそも、カビは屋外の土壌中や植物に寄生して生息しているものが、外気と一緒に室内に侵入する。そして、栄養源と温湿度条件がそろえば簡単に増殖する。栄養源となるものは、建材やハウスダストなど住居環境内に豊富にあるという。

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