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【気管支ぜんそく】同愛記念病院・アレルギー呼吸器科(東京都墨田区)

同愛記念病院のアレルギー呼吸器科(C)日刊ゲンダイ

 しかし、軽症のうちは患者自身もこれらの症状の特徴をはっきり自覚していないことも多く、医療機関を受診してもかぜや気管支炎などと診断される場合がある。実際、同科の初診患者は、複数の医療機関を受診しても診断がつかずに来院するケースが少なくないという。

 結局、いつまでも症状が改善せずに患者間の口コミで同科を受診する人が非常に多く、気管支ぜんそくで来院する約70%は症状が悪化してからの駆け込み患者だ。

「というのも、気管支ぜんそくは明確な検査データ(数値)に基づく診断基準がないからです。そのため診断には、症状の特徴や各種検査の結果を総合して、“証拠を集めること”が必要になるのです」

 同科の診断の手順はこうだ。①特徴的な症状の有無の評価②採血によるアレルギー体質の有無の確認③胸部レントゲンで肺炎や結核などでないことの確認④呼吸機能検査で気道の狭窄や過敏性を調べる。さらに同科では診断の精度を高めるため、⑤呼気中の一酸化窒素濃度の即日測定も行っている。

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