過剰摂取は健康に悪影響 「ビタミンD」はどう取るべきか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 近年、「ビタミンD」がクローズアップされている。もともと骨や歯をつくるのに重要なビタミンといわれていたことに加え、このところさまざまな健康効果が報告されている。必要不可欠なビタミンであることは間違いないが、だからといってむやみに摂取するのは避けたほうがいい。

 ビタミンDには、「D2」と「D3」があり、どちらも役割は変わらない。D2は干ししいたけ、きくらげなどのキノコ類に豊富で、D3はサケ、サンマ、マグロなどの魚に多く含まれている。また、人間が日光を浴びることによって体内でも合成される。

 最近は、普段から魚を食べる機会が減っている人が多いうえ、冬は日照時間が短くなるためビタミンDが不足しがちになる。だから、健康のためにも積極的に摂取すべし……といったアナウンスをよく耳にするようになった。たしかに、ビタミンDにはさまざまな健康効果が報告されている。よく知られているのは「骨の健康維持」に関わる役割だ。ビタミンDは腸内で骨の形成に必要なカルシウムの体内吸収を高めたり、尿に排泄されるカルシウムを腎臓で再吸収してもう一度利用する働きがある。骨粗しょう症や骨軟化症の予防には欠かせない栄養素で、厚労省は成人のビタミンD摂取目安量を5・5μg/日に設定している。

1 / 3 ページ

関連記事