薬に頼らないこころの健康法Q&A

誰もが通る「同郷の友達と心が離れていく」違和感と解決法

井原裕 独協医科大学越谷病院こころの診療科教授(C)日刊ゲンダイ
高校時代のような一体感はなくても、大切な存在であることに変わりない



 僕たち4人は、北関東の高校でサッカー部の仲間でした。弱かったですが、3年間一緒にグラウンドで過ごしました。卒業とともに、A君は千葉の大学に、B君は都内の専門学校へ、C君は都内の会社に就職。僕は神奈川県内の自動車整備工場で勤め始めました。

 最近、1年ぶりに会いました。A君はシステムエンジニアを目指して、勉強中。B君は彼女と最近別れたようです。C君は3カ月後に名古屋に研修に出るといいます。4人が顔を合わせると、かつてと同じアクセントに戻りました。ただ、僕は違和感も覚えました。彼らは青春を謳歌しています。ところが僕は、毎日、工場で油にまみれています。僕の周りはおじさんばかりで、青春とはほど遠い毎日です。今回、久しぶりに仲間と会って楽しかったけど、疎外感も感じました。



 4人とも、夢を追って都会に出てきた若者です。その後、それぞれの運命は違ってきたけれど、それは各自が自分の人生を歩き始めたからです。

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井原裕

東北大学医学部卒。自治医科大学大学院博士課程修了。ケンブリッジ大学大学院博士号取得。順天堂大学医学部准教授を経て、08年より現職。専門は精神療法学、精神病理学、司法精神医学など。「生活習慣病としてのうつ病」「思春期の精神科面接ライブ こころの診療室から」「うつの8割に薬は無意味」など著書多数。