鉛だけでなくバクテリアなどの汚染物質も発見され、急増したレジオネラ症発生(これまで10人死亡)との因果関係も疑われています。一方で、古い鉛水道管を全て取り換える工事は、政治的・官僚的な理由で実現に至らず、フリント市民の間には不安と共に当局への不信や怒りの声が高まっているのです。
フリント市の汚染水発覚以降、これまで知られていなかった水に関する健康不安が全米で次々に報告されており、今後、もっと深刻な問題が発覚する可能性もあります。
また、フリント市では先日、大統領選の民主党討論会も開かれ、クリントン、サンダース両候補が汚染水問題に言及しました。しかし、世論に対してどれほどのインパクトがあったかは懐疑的との見方がされています。
▽シェリーめぐみ ジャーナリスト、テレビ・ラジオディレクター。横浜育ち。早稲田大学政経学部卒業後、1991年からニューヨーク在住。
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