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鉛や汚染物質が続々…米国「水道水汚染」被害拡大の恐れ

 鉛だけでなくバクテリアなどの汚染物質も発見され、急増したレジオネラ症発生(これまで10人死亡)との因果関係も疑われています。一方で、古い鉛水道管を全て取り換える工事は、政治的・官僚的な理由で実現に至らず、フリント市民の間には不安と共に当局への不信や怒りの声が高まっているのです。

 フリント市の汚染水発覚以降、これまで知られていなかった水に関する健康不安が全米で次々に報告されており、今後、もっと深刻な問題が発覚する可能性もあります。

 また、フリント市では先日、大統領選の民主党討論会も開かれ、クリントン、サンダース両候補が汚染水問題に言及しました。しかし、世論に対してどれほどのインパクトがあったかは懐疑的との見方がされています。

▽シェリーめぐみ ジャーナリスト、テレビ・ラジオディレクター。横浜育ち。早稲田大学政経学部卒業後、1991年からニューヨーク在住。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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