糖尿病に絶対ならない 春の最新常識

<2>過食や運動不足だけじゃない 「寝不足」が招く高血糖

(C)日刊ゲンダイ

 下顎が小さかったり、後退していることもSASの原因だが、最大の要因は「肥満」だ。周囲の人に指摘されない限り本人に自覚がないが、「肥満」で「十分寝ていても寝たりない」「起床時に頭痛がする」などという人は糖尿病への注意が必要だ。

 睡眠不足による糖尿病発症リスクの増大を、血中遊離脂肪酸濃度の上昇でみようとする研究者もいる。

 血中遊離脂肪酸とは、脂肪組織から血液に放出されてエネルギー源として活用される脂肪分のこと。エネルギーとして使われないときは、ブドウ糖と合成してできた中性脂肪として脂肪組織に蓄えられる。血中の遊離脂肪酸が多いと高脂血症となり、インスリン抵抗性が強くなって血糖値が高くなることがわかっている。

 米国シカゴ大学医学部の研究チームの実験では、18~30歳の19人の健康な男性を4晩続けて8.5時間睡眠をとる群と、4.5時間強の睡眠をとる群に分けて血糖値と血中遊離脂肪酸の濃度を調べた。

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