専門家が警鐘 子供に多発する食物アレルギーの「誤診」

乳幼児に多いアレルギーだが…(C)日刊ゲンダイ

「大規模調査では、食物アレルギーを起こしやすい複数の食品を生後数カ月目から離乳食で積極的に食べさせた群と、食べさせなかった群を後に比較。すると、食べさせた群の方が食物アレルギーの患者が少ないという結果が出たのです」

 従来の考え方は「乳幼児には食物アレルギーの原因となる可能性の高い食品は、離乳食などで食べさせない方がいい」だった。しかし、最新の研究結果は真逆で、「離乳食を遅らせることは食物アレルギー予防対策として決してメリットにならない」とされているのだ。

「だから、なんちゃってアレルギーのために本当は食べられるかもしれない物を食べないようにすることは、食生活において不都合を強いるばかりか、かえって食物アレルギーを起こしやすくしているかもしれないのです」

 今井医師が強調するのは、(1)親は過剰な心配をやめ、普通に食べさせる。(2)湿疹など症状が出たら、乳幼児の食物アレルギーに詳しい医師に診てもらう。(3)食物アレルギーと診断されれば、定期的に負荷試験を行って「症状が出ない量」や「食べられるようになったのか」を調べる――の3点だ。

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