震災後の健康被害 これからが危ない

<第2回>目の病気「角膜潰瘍」「緑内障」「ドライアイ」に気を付けろ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「被災地では消毒が不十分なコンタクトレンズを使ったり、使用期限が守られないことが少なくありません。そのせいで角膜潰瘍を発症していることがあるので注意が必要です」

 こう言うのは東京都眼科医会学術部委員で、「清澤眼科医院」(東京・江東区)の清澤源弘院長だ。

 東北大学出身の清澤院長は東日本大震災の際、被災した複数の宮城県内の眼科医と連絡を取り合い、支援してきた。

「角膜は黒目を覆っている一番外側の膜です。その角膜を薄くしたり、にごりを生じさせるのが角膜潰瘍です。放置すると角膜穿孔が起こり、失明することがあります」

 角膜潰瘍を発症させるのは不衛生なコンタクトレンズの使用だけではない。がれき撤去などで目に異物が入ったり、目をぶつけた後に細菌や真菌が感染しても発症する。東北では流行性角結膜炎が増加したという報告もある。

1 / 3 ページ