それに対し、3週間後ではプラセボ群でも58.3%で疼痛が消失、30ミリグラム群の63.5%、150ミリグラム群の78.2%、300ミリグラム群の59.6%と、ほとんど差がないという結果になっています。
「早期には効果が認められるものの、最終的にはほとんど差がない」という結果ですから、前回示した治験参加者1人の死亡が、もし薬剤と関係しているとすれば大変なことです。実際に保険薬として認可する前に、ここで治験そのものの中止を検討すべき結果のようにも思えます。治験を続けるとしても、前回の試験での1人の死亡が本当に薬の影響でないかどうか、徹底的に吟味される必要があるでしょう。
この事件は、保険薬として使われるまでの治験のデータがその都度、広く公表される必要を示していると思います。しかし、残念ながらその公表は義務付けられてはいません。ここにも大きな問題が放置されたままになっています。
医療数字のカラクリ