本当は危ない“正常値”を見逃すな

赤血球成分バランス示すMCV 基準値以外なら認知機能に異常

貧血、冷え、しびれの原因に(C)日刊ゲンダイ

 赤血球などの成分バランスを示す「MCV」は、一般的には問題視されていませんが、とても重要な内容を教えてくれます。

 MCVは赤血球1個が持つ平均的な容積のことで、数値を見れば自分の赤血球が「大」「小」「ちょうどよい」のどれなのかが分かります。それぞれ「大球性」「小球性」「正球性」といいます。

 赤血球は酸素を体の末端まで運ぶ働きをします。小さすぎると運べる酸素量が少なく、末端まで届きません。大きすぎても血管をうまく通れず末端まで届きません。どちらも貧血、冷え、しびれの原因に。高齢者では神経障害や認知機能への悪影響も引き起こします。

「正球性」の値は検査機関で異なり、だいたい80~99fl(フエムトリットル)を基準としています。これでは範囲がちょっと広すぎるので、私は90~98を基準にし、90より低ければ小球性、98より高ければ大球性と考え、食生活を中心としたアドバイスをします。

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佐藤智春

佐藤智春

スタイリストとして活躍していた32歳の時、働き過ぎで体調を崩しダウン。「分子整合栄養医学」に出会い、人体と栄養の関係を学び、実践を重ねながら健康を取し、血液栄養診断士の資格を取得。現在はクライアントの血液データから栄養を厳密に把握し、食と医療、ライフスタイルを具体的に提案。著書に「卵を食べれば全部よくなる」「男は食事で出世させなさい」「身長を伸ばす7つの法則」など。