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【原発性アルドステロン症】みさと健和病院/糖尿病・内分泌内科(埼玉県三郷市)

(C)日刊ゲンダイ

 PAは、左右の腎臓の上に小さなギョーザほどの大きさでのっている「副腎」のホルモンの分泌異常で起こる。原因は、副腎の片側にできた良性腫瘍や、両側の細胞の数が増える過形成。塩分吸収やカリウム排出、水分、血液量、血圧のバランスを保つ働きをするアルドステロンというホルモンが過剰につくられることで、高血圧や低カリウム血症を起こす。

「怖いのは放置すると臓器障害の原因になることです。PAのある人はない人に比べて、脳卒中が約4倍、心筋梗塞が6.5倍、心房細動が約12倍、心肥大は1.6~2.9倍と発症リスクが高い。慢性腎臓病になる人も多く、肥満や耐糖能障害、睡眠時無呼吸症候群などの合併頻度が高いことも報告されています」

■病型診断できる

 PAの疑いをあぶり出すスクリーニング検査は、外来の血液検査で簡単にできる。しかし、問題は精密検査。負荷試験(血液検査)と副腎CT検査までは多くの施設で実施できるが、片側性か両側性かの病型診断に欠かせない「副腎静脈サンプリング」という検査が非常に難しい。どこの施設でもできるわけではないという。

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