寿命が縮む高齢者の「腰曲がり」 日常予防と手術治療法

良い姿勢を取り戻せる(佐野医師提供)

「背筋、臀筋が衰えれば体を支えられず、前に曲がりやすくなります」

 また、骨粗しょう症と診断されている人は、薬物治療が先決。「骨粗しょう症で適切な薬物治療を受けている人は2割程度」と指摘する骨粗しょう症の専門医もいるが、これは腰曲がりへの進行を阻止するチャンスを失っている人が多いということだ。

■早い段階で適切な治療を

 腰曲がりがひどくなり、日常生活に支障が出てくれば、手術治療が検討される。

「大きく曲がった背骨を正常なカーブに矯正し、チタン製のねじやロッドを用いて固定する手術、変形矯正固定術です」

 この手術は、患者の椎間板の硬さ、曲がりのパターン、程度などによって、「Aさんはこの部分の椎間板を取り去り、ケージで大きく開き、骨のこことここをウエッジに切り取り、向きを大きく変えて……」といったようにアプローチの仕方を変えなくてはならない。高難度の大手術のため、医師の経験値が大きく関係する。口コミをチェックするなどして実績のある医師を選ぶべきだ。

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