小林麻央さん約2年継続 乳がん抗がん剤治療を詳しく知る

乳がんが明らかになった小林麻央さん(C)日刊ゲンダイ

■縮小して手術可能になるケースも

 乳がん治療に使われる抗がん剤は、「アンスラサイクリン系」と「タキサン系」の2種類が主体だ。抗がん剤治療は、手術を受ける前にがんを小さくする目的などで術前にも行われているが、術後の再発予防、再発が見つかって治療する場合に行われるケースが多い。いずれの場合も、基本的に使われる抗がん剤は同じだという。

「再発予防で使う場合は、有効性が証明された投与法と投与量に基づいてきっちり行うことが肝心で、アンスラサイクリン系とタキサン系の両方を用いるケースが多い。再発してから使用する場合は、副作用に応じて量や頻度を加減することもあります。日本で開発されたエリブリンや、経口薬を用いるケースもあります」

 細胞の表面に「HER2タンパク」発現のあるタイプの乳がん(全体の2割程度)は、分子標的剤「抗HER2薬」を抗がん剤と併用することで、治療効果が大幅に高まることがわかっている。そのため、再発予防として分子標的薬のハーセプチンを1年間投与するのが標準だ。再発が見つかって治療する場合でも、抗HER2治療薬を抗がん剤と併用する。ただし、患者のがん細胞にHER2タンパクがある場合でなければ効果はない。

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