Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

【竹原慎二さんのケース】セカンドオピニオンは放射線科医に

抗がん剤治療と手術で膀胱がんを克服(C)日刊ゲンダイ

 米国では、すべてのがん治療のうち6割が放射線ですが、日本はわずか3割。放射線で済むのに手術が行われているケースが少なくありません。もちろん、放射線には被曝リスクがあり、皮膚が赤くなったり、胃腸の粘膜が荒れたり、下痢や吐き気を起こしたりするなど副作用もあります。しかし、照射技術が進んだためかなり少なくなり、今や手術や抗がん剤の副作用より軽い場合がほとんどです。

 もう一つ、セカンドオピニオンは、最初の診断から3カ月以内に受けるのが大切。一般的ながんだと、3カ月以上で治療が遅れるリスクが高いのです。一度スタートした治療を不審に思っても、それを変更するのは難しく、診断から3カ月以内、治療開始の前が鉄則です。

 セカンドオピニオンについて、この2つはぜひ頭に入れておいてください。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。