重篤な糖尿病発症も “子供の感染症”は大人も侮れない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 おたふく風邪(流行性耳下腺炎)や子どもの夏風邪「ヘルパンギーナ」が流行の兆しをみせている。国立感染症研究所(感染研)のまとめによると、おたふく風邪は前回流行した2010年に次ぐ高水準にあるという。子どもに多い病気だが、軽く見てはいけない。大人がかかると重い合併症を発症する危険性がある。

 感染研の集計によると、6月20~26日は1医療機関あたりのおたふく風邪の患者報告数が1.13人。宮崎(3.03人)を筆頭に佐賀(2.91人)、鹿児島(1.95人)、福岡(1.76人)と九州全域に広がっているほか、大阪(1.72人)、神奈川(1.22人)、埼玉(1.44人)など大都市圏でも目立っている。おたふく風邪は4~5年周期で流行を繰り返し、今回は2010年に次ぐ高い水準だという。弘邦医院(東京・葛西)の林雅之院長が言う。

「以前は秋から春先に流行する病気でしたが、いまは季節に関係なく流行する傾向にあります。原因菌であるムンプスウイルスは、くしゃみやせきなどを介して広がります。そのため、学校で集団感染しやすいのです。18日前後の潜伏期があり、最初は首に痛みが出ます。その後、耳の付け根から顎にかけて耳下腺が腫れ、1週間から10日程度うまく噛めない、飲み込めない、会話ができないという症状が出ることがあります」

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