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【眼の羊膜移植】けいゆう病院・眼科(神奈川県横浜市)

けいゆう病院・眼科の川村真理部長(提供写真)

「国内で羊膜が眼疾患の治療に使われ始めたのは1990年代後半からです。当科もその頃から使用してきました。その後、2014年に羊膜移植が保険適用になったことで、羊膜バンクや認定医の整備が始まったのです。ですから羊膜移植の歴史は古いのですが、あらためて見直されているのです」

 保険適用となる眼の疾患は、眼表面の腫瘍性疾患、スティーブンス・ジョンソン症候群、角膜穿孔、角膜潰瘍など10疾患ほど。頻度が多いのは、白目(結膜)の組織が黒目(角膜)に延びてくる翼状片で、特に再発した場合に羊膜移植を行うと治療効果が高いという。

 そして、これらの疾患によって障害された眼表面を再建する羊膜移植には、大きく3つの使い方があるという。

「1つは、眼表面の穴の開いた部分を羊膜で塞いで、周りの組織と同化させる方法。それから、病変部を羊膜で覆って、そこを足場として眼の上皮細胞を再生させる方法。傷の部分を羊膜で一時的に覆って炎症を鎮め、正常な角膜上皮の再生を促す方法もあります。これらの移植法を疾患や病態によって組み合わせて使うのです」

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